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Gedicht

Shuntaro Tanikawa

DIARY OF AUNTIE

I see Auntie crouching on the river bank. Behind her is a large chimney letting out smoke. I can’t tell Auntie to do this or do that. Auntie takes a stand. She says she is going to cook devil-root cake tonight.                     
 
*
 
Auntie forgets what she just said and repeats the same story. One moment she is angry, but the next moment she is very happy. She cooked such delicious rice before, but now she burns it black. But she doesn’t care, because she quickly forgets that she burnt it. Oh what a waste, so burnt up, she says, nonchalantly blaming it on someone else. Inside Auntie, so protean now, the conscientious Auntie of the past is playing hide and seek. Has Auntie gone somewhere else? No, Auntie is here, still. She is alive, with her pretty silvery hair shining in the sun.
 
*
 
Oh, you shouldn’t, she said, Auntie tells me. A bent nail caught and tore her apron, she says to me. Then the guy just pulled his arms away. A dumb fellow, Auntie says, and she is angry with him. It was some thirty years ago, but Auntie, her nostrils flaring, is seriously angry for some time.
 
*
 
Of course what I see is not all of Auntie. Auntie invades me like a virus. Invisible Auntie is more dangerous than Auntie I see, because I begin to lose distinction between her and me. In an effort to see the invisible Auntie I try to describe her. Immunity?
     A word like that is of no use.
 
*
 
Auntie treasures an earthenware teapot with a chipped spout. When she pours casual tea from the teapot into a teacup, she is most dignified. Then she deliberately begins to follow newspaper pages with her eyes. Captions for a deserted child and for a coup d'état are printed in the same font size, so Auntie well understands that there is no difference in importance between those incidents. She has lost three pairs of reading glasses, and she is now using her fourth.
 
 *
 
There is nothing in this world that can be named clearly. Just as a cooking pot is an assemblage of parts that are not pots, a sorrow is the ruinous end of countless fearsome burdens which are not sorrows. A single name, like a black hole, is apt to suck in all other names. Names take root in anonymity. (For the moment I just leave it this way.)
 
*
 
We are going to have a better world, Auntie says. But she says, the world is at best something of this sort. I have seen Auntie crying facing the wall in the evening. All I can do is to keep an eye on her, nothing else. I am so terribly powerless. Because of that, from time to time, Auntie looks to me so incomparably beautiful.
 
*
 
I’ve come to realize the terrifying fact that there is only poetry in this world. Every bit of matter in this world is poetry. That has been the unchangeable fact from the moment words, as we call them, were born. How desperately people have tried to escape from poetry. But that has been an impossible thing to do. How cruel.
 
*
 
When she gets hungry, Auntie grabs what’s in the pot in her hand and pops it into her mouth. She might take a bath for three consecutive days, then she might not take a bath for a month. She starts fussing saying someone stole a tattered removable collar. Yet she completely forgets about the stock certificates she hid under her bedding. Auntie is falling to pieces. But inside her is another Auntie. She is like the nesting wooden mosaic box she bought me when I was a kid. I found a box inside the box, and I found another as I opened it, and yet another smaller box inside that . . . Auntie exposes what she has been hiding one after another, but unlike a box, she never becomes empty. It is silly to ask which the real Auntie is. Contradictions and confusions are Auntie herself. But I sometimes find such an excessively honest Auntie terribly hateful. Because it’s me that she exposes.
 
*
 
I’m ready for them to come for me anytime, Auntie says. But I cannot die until they come for me, she says. She cannot take care of herself, so she wants to take care of others all the more. You can just leave me alone, she says. I cannot bring myself to tell her that she has no use for pride of that sort. Because I am barely managing to be me just by being in front of her.
 
*
 
This world is a square of crazy quilt. Motley colors and cloths are connected in an illogical way, yet the four edges are cut beautifully straight. On the Northern American continent one hundred years ago there must have been aunties very much like Auntie, by a big river, in the shadows of a beech tree, and on the porch of a shack on the fringes of a city.
 
*
 
Someday I will become Auntie. I wonder if I am already. My name, my money, my future, or something else of me, none of those can keep me from being Auntie. My hands, my hair, my words, my wandering mind, all I can call my own are so much like Auntie’s.
 
*
 
Stroking its belly, Auntie is whispering to the dog. Auntie is really happy to see the dog pleased.   I cannot keep my eyes off her, wondering if Auntie will keep stroking the dog forever. But soon she slowly stands up, and goes inside. I am left with a feeling that almost chokes me. I simply cannot name it.
 

小母さん日記

小母さん日記

小母さんが土手の上にしゃがんでいるのが見える。うしろで大きな煙突が煙を吐いている。小母さんにああしろとは言えない、こうしろとも言えない。小母さんは小母さんだ。今夜はこんにゃくを煮るそうだ。

     *

いま言ったことをすぐに忘れて、小母さんは同じ話をくり返す。いま怒ったかと思うと次の瞬間には上機嫌だ。昔あんなに上手にたいた御飯をまっ黒こげにする。だが平気だ、こがしたこともすぐに忘れてしまうから。もったいないねえこんなにこがしてしまってと、小母さんはけろりとひとのせいにする。変幻自在のいまの小母さんの中で、昔の律儀な小母さんがかくれんぼをしている。小母さんはどこかへ行ってしまったのか。いや小母さんはそこにいる、まだ。きれいな白髪を陽に輝かせて、生きている。

     *

あらだめよと小母さんは言ったんだそうだ。割烹着が折釘にひっかかって、ぴりっと裂けたそうだ。そしたら男はあっさり手をひっこめた。へまな男さと小母さんは怒る。三十何年前の話だが小鼻をふくらませて小母さんはしばらくの間本気で怒っている。

     *

ぼくに見えている小母さんだけが小母さんではないのはもちろんだ。小母さんはヴィールスのようにぼくを侵食する。見えない小母さんは見えている小母さんより危険だ、ぼく自身と区別がつかなくなってくるから。見えない小母さんを見ようとしてぼくは小母さんを書くことを試みる。免疫? そんな言葉が役に立つものか。

     *

口が欠けてしまって茶渋のしみついた土瓶を小母さんは大切にしている。その土瓶から茶碗に番茶を注ぐとき、小母さんはいちばん堂々としている。それからやおら新聞を目で追い始めるのだが、捨子とクーデタの見出しが同じ大きさの活字で組んであるので、そのふたつのできごとの間に軽重はないということが小母さんにはよくわかる。老眼鏡はみっつ失くしていまよっつめだ。

     *

明らかに名ざすことのできるものは、この世にはひとつもない。鍋が鍋ではない何か別のものの寄せ集めなのと同じように、かなしみはかなしみではない数えきれぬほどのおそろしくしんどいもののなれのはてだ。ひとつの名はまるでブラック・ホールのように他のすべての名を吸いこもうとする。名はその根を無名におろしている。(とりあえずこう書きつけておく)

     *

もっといい世の中になるよと小母さんは言う。でも世の中ってこうしたもんさと小母さんは言う。夕方、壁のほうをむいて小母さんが泣いているのを見たことがある。ぼくには小母さんを見守ってゆくことのほか何もできない。ぼくはおそろしいくらい無力だ。そのせいでぼくにはときどき小母さんがくらべるもののないほど美しく見える。

     *

この世には詩しかないというおそろしいことにぼくは気づいた。この世のありとあらゆることはすべて詩だ、言葉というものが生まれた瞬間からそれは動かすことのできぬ事実だった。詩から逃れようとしてみんなどんなにじたばたしたことか。だがそれは無理な相談だった。なんて残酷な話だろう。

     *

おなかがすくと小母さんは鍋の中のものを手でつまんで口へほうりこむ。三日つづけて風呂へ入るかと思うと、一月も入らないことがある。ぼろぼろになった半衿を誰かが盗んだと言って騒ぎだす。そのくせふとんの下にかくした株券のことはすっかり忘れている。小母さんがばらばらにこわれてゆく。だがその中にまたもうひとりの小母さんがいる。まるで子どものころに買ってもらった寄木細工の箱のようだ。箱の中に箱があり、その箱をあけるとまた箱があり、その箱の中にもっと小さな箱が入っている……かくしていたものを小母さんは次々とあらわにしてゆくが、箱とちがって小母さんはからっぽになることはない。どれがほんとうの小母さんかと問うのは愚かなことだ、矛盾と混乱こそが小母さんそのものだ。だが正直すぎるそんな小母さんが、ぼくはときどきひどく憎らしい。あばかれるのはぼく自身だから。

     *

いつお迎えが来たっていいよと小母さんは言う。でもお迎えが来るまでは死ねないよと小母さんは言う。自分の世話ができないので小母さんは余計にひとの世話を焼きたがる。私のことなんかほっておおきよと小母さんは言う。そんな自尊心のようなものはもう要らないと言うことはぼくにはできない。ぼくは小母さんの前にいることでやっとぼくになっているのだから。

     *

この世は一枚のクレージー・キルトだ。さまざまな色と布地が狂ったようにつぎはぎされて、そのくせ四辺は見事に断ち落とされている。百年前の北アメリカにも小母さんによく似た小母さんがいただろう。大きな河のそばに、ぶなの木蔭に、都市のはずれのあばらやのポーチに。

     *

ぼくもいつか小母さんになるだろう。それとももうぼくも小母さんなのか。ぼくの名前、ぼくの金、ぼくの未来、ぼくの何か、そんなものがぼくと小母さんをへだててくれるはずはない。ぼくの手、ぼくの髪、ぼくの言葉、ぼくのうつろう意識、ぼくのと呼ぶことのできるものはすべて、小母さんのものと瓜ふたつだ。

     *

犬の腹を撫でながら、小母さんは小声で犬に話しかけている。犬の喜ぶのが小母さんは嬉しくてたまらない。小母さんが永久に犬を撫でつづけるのではないかと思って、ぼくはその情景から目が離せなくなる。だがやがて小母さんはゆっくり立ち上り、家の中へ入ってゆく。ぼくに残されたものは、息のつまりそうなひとつの感情、それに名前をつけることがぼくにはどうしてもできない。
Shuntaro Tanikawa

Shuntaro Tanikawa

(Japan, 1931)

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小母さん日記

小母さんが土手の上にしゃがんでいるのが見える。うしろで大きな煙突が煙を吐いている。小母さんにああしろとは言えない、こうしろとも言えない。小母さんは小母さんだ。今夜はこんにゃくを煮るそうだ。

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いま言ったことをすぐに忘れて、小母さんは同じ話をくり返す。いま怒ったかと思うと次の瞬間には上機嫌だ。昔あんなに上手にたいた御飯をまっ黒こげにする。だが平気だ、こがしたこともすぐに忘れてしまうから。もったいないねえこんなにこがしてしまってと、小母さんはけろりとひとのせいにする。変幻自在のいまの小母さんの中で、昔の律儀な小母さんがかくれんぼをしている。小母さんはどこかへ行ってしまったのか。いや小母さんはそこにいる、まだ。きれいな白髪を陽に輝かせて、生きている。

     *

あらだめよと小母さんは言ったんだそうだ。割烹着が折釘にひっかかって、ぴりっと裂けたそうだ。そしたら男はあっさり手をひっこめた。へまな男さと小母さんは怒る。三十何年前の話だが小鼻をふくらませて小母さんはしばらくの間本気で怒っている。

     *

ぼくに見えている小母さんだけが小母さんではないのはもちろんだ。小母さんはヴィールスのようにぼくを侵食する。見えない小母さんは見えている小母さんより危険だ、ぼく自身と区別がつかなくなってくるから。見えない小母さんを見ようとしてぼくは小母さんを書くことを試みる。免疫? そんな言葉が役に立つものか。

     *

口が欠けてしまって茶渋のしみついた土瓶を小母さんは大切にしている。その土瓶から茶碗に番茶を注ぐとき、小母さんはいちばん堂々としている。それからやおら新聞を目で追い始めるのだが、捨子とクーデタの見出しが同じ大きさの活字で組んであるので、そのふたつのできごとの間に軽重はないということが小母さんにはよくわかる。老眼鏡はみっつ失くしていまよっつめだ。

     *

明らかに名ざすことのできるものは、この世にはひとつもない。鍋が鍋ではない何か別のものの寄せ集めなのと同じように、かなしみはかなしみではない数えきれぬほどのおそろしくしんどいもののなれのはてだ。ひとつの名はまるでブラック・ホールのように他のすべての名を吸いこもうとする。名はその根を無名におろしている。(とりあえずこう書きつけておく)

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もっといい世の中になるよと小母さんは言う。でも世の中ってこうしたもんさと小母さんは言う。夕方、壁のほうをむいて小母さんが泣いているのを見たことがある。ぼくには小母さんを見守ってゆくことのほか何もできない。ぼくはおそろしいくらい無力だ。そのせいでぼくにはときどき小母さんがくらべるもののないほど美しく見える。

     *

この世には詩しかないというおそろしいことにぼくは気づいた。この世のありとあらゆることはすべて詩だ、言葉というものが生まれた瞬間からそれは動かすことのできぬ事実だった。詩から逃れようとしてみんなどんなにじたばたしたことか。だがそれは無理な相談だった。なんて残酷な話だろう。

     *

おなかがすくと小母さんは鍋の中のものを手でつまんで口へほうりこむ。三日つづけて風呂へ入るかと思うと、一月も入らないことがある。ぼろぼろになった半衿を誰かが盗んだと言って騒ぎだす。そのくせふとんの下にかくした株券のことはすっかり忘れている。小母さんがばらばらにこわれてゆく。だがその中にまたもうひとりの小母さんがいる。まるで子どものころに買ってもらった寄木細工の箱のようだ。箱の中に箱があり、その箱をあけるとまた箱があり、その箱の中にもっと小さな箱が入っている……かくしていたものを小母さんは次々とあらわにしてゆくが、箱とちがって小母さんはからっぽになることはない。どれがほんとうの小母さんかと問うのは愚かなことだ、矛盾と混乱こそが小母さんそのものだ。だが正直すぎるそんな小母さんが、ぼくはときどきひどく憎らしい。あばかれるのはぼく自身だから。

     *

いつお迎えが来たっていいよと小母さんは言う。でもお迎えが来るまでは死ねないよと小母さんは言う。自分の世話ができないので小母さんは余計にひとの世話を焼きたがる。私のことなんかほっておおきよと小母さんは言う。そんな自尊心のようなものはもう要らないと言うことはぼくにはできない。ぼくは小母さんの前にいることでやっとぼくになっているのだから。

     *

この世は一枚のクレージー・キルトだ。さまざまな色と布地が狂ったようにつぎはぎされて、そのくせ四辺は見事に断ち落とされている。百年前の北アメリカにも小母さんによく似た小母さんがいただろう。大きな河のそばに、ぶなの木蔭に、都市のはずれのあばらやのポーチに。

     *

ぼくもいつか小母さんになるだろう。それとももうぼくも小母さんなのか。ぼくの名前、ぼくの金、ぼくの未来、ぼくの何か、そんなものがぼくと小母さんをへだててくれるはずはない。ぼくの手、ぼくの髪、ぼくの言葉、ぼくのうつろう意識、ぼくのと呼ぶことのできるものはすべて、小母さんのものと瓜ふたつだ。

     *

犬の腹を撫でながら、小母さんは小声で犬に話しかけている。犬の喜ぶのが小母さんは嬉しくてたまらない。小母さんが永久に犬を撫でつづけるのではないかと思って、ぼくはその情景から目が離せなくなる。だがやがて小母さんはゆっくり立ち上り、家の中へ入ってゆく。ぼくに残されたものは、息のつまりそうなひとつの感情、それに名前をつけることがぼくにはどうしてもできない。

DIARY OF AUNTIE

I see Auntie crouching on the river bank. Behind her is a large chimney letting out smoke. I can’t tell Auntie to do this or do that. Auntie takes a stand. She says she is going to cook devil-root cake tonight.                     
 
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Auntie forgets what she just said and repeats the same story. One moment she is angry, but the next moment she is very happy. She cooked such delicious rice before, but now she burns it black. But she doesn’t care, because she quickly forgets that she burnt it. Oh what a waste, so burnt up, she says, nonchalantly blaming it on someone else. Inside Auntie, so protean now, the conscientious Auntie of the past is playing hide and seek. Has Auntie gone somewhere else? No, Auntie is here, still. She is alive, with her pretty silvery hair shining in the sun.
 
*
 
Oh, you shouldn’t, she said, Auntie tells me. A bent nail caught and tore her apron, she says to me. Then the guy just pulled his arms away. A dumb fellow, Auntie says, and she is angry with him. It was some thirty years ago, but Auntie, her nostrils flaring, is seriously angry for some time.
 
*
 
Of course what I see is not all of Auntie. Auntie invades me like a virus. Invisible Auntie is more dangerous than Auntie I see, because I begin to lose distinction between her and me. In an effort to see the invisible Auntie I try to describe her. Immunity?
     A word like that is of no use.
 
*
 
Auntie treasures an earthenware teapot with a chipped spout. When she pours casual tea from the teapot into a teacup, she is most dignified. Then she deliberately begins to follow newspaper pages with her eyes. Captions for a deserted child and for a coup d'état are printed in the same font size, so Auntie well understands that there is no difference in importance between those incidents. She has lost three pairs of reading glasses, and she is now using her fourth.
 
 *
 
There is nothing in this world that can be named clearly. Just as a cooking pot is an assemblage of parts that are not pots, a sorrow is the ruinous end of countless fearsome burdens which are not sorrows. A single name, like a black hole, is apt to suck in all other names. Names take root in anonymity. (For the moment I just leave it this way.)
 
*
 
We are going to have a better world, Auntie says. But she says, the world is at best something of this sort. I have seen Auntie crying facing the wall in the evening. All I can do is to keep an eye on her, nothing else. I am so terribly powerless. Because of that, from time to time, Auntie looks to me so incomparably beautiful.
 
*
 
I’ve come to realize the terrifying fact that there is only poetry in this world. Every bit of matter in this world is poetry. That has been the unchangeable fact from the moment words, as we call them, were born. How desperately people have tried to escape from poetry. But that has been an impossible thing to do. How cruel.
 
*
 
When she gets hungry, Auntie grabs what’s in the pot in her hand and pops it into her mouth. She might take a bath for three consecutive days, then she might not take a bath for a month. She starts fussing saying someone stole a tattered removable collar. Yet she completely forgets about the stock certificates she hid under her bedding. Auntie is falling to pieces. But inside her is another Auntie. She is like the nesting wooden mosaic box she bought me when I was a kid. I found a box inside the box, and I found another as I opened it, and yet another smaller box inside that . . . Auntie exposes what she has been hiding one after another, but unlike a box, she never becomes empty. It is silly to ask which the real Auntie is. Contradictions and confusions are Auntie herself. But I sometimes find such an excessively honest Auntie terribly hateful. Because it’s me that she exposes.
 
*
 
I’m ready for them to come for me anytime, Auntie says. But I cannot die until they come for me, she says. She cannot take care of herself, so she wants to take care of others all the more. You can just leave me alone, she says. I cannot bring myself to tell her that she has no use for pride of that sort. Because I am barely managing to be me just by being in front of her.
 
*
 
This world is a square of crazy quilt. Motley colors and cloths are connected in an illogical way, yet the four edges are cut beautifully straight. On the Northern American continent one hundred years ago there must have been aunties very much like Auntie, by a big river, in the shadows of a beech tree, and on the porch of a shack on the fringes of a city.
 
*
 
Someday I will become Auntie. I wonder if I am already. My name, my money, my future, or something else of me, none of those can keep me from being Auntie. My hands, my hair, my words, my wandering mind, all I can call my own are so much like Auntie’s.
 
*
 
Stroking its belly, Auntie is whispering to the dog. Auntie is really happy to see the dog pleased.   I cannot keep my eyes off her, wondering if Auntie will keep stroking the dog forever. But soon she slowly stands up, and goes inside. I am left with a feeling that almost chokes me. I simply cannot name it.
 
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